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8月, 2023の投稿を表示しています

鉄労地域本社制導入 1984年10月号 国有鉄道記事から抜粋

 鉄労は当初、地域本社制導入を提唱しますが、その後分割民営化容認に舵を切ることとなり、国労からは鉄労の裏切りと罵られることとなるのですが、その辺を示す資料と言うほどのものではありませんが、国鉄部内紙、国有鉄道1984年10月号「視点・論点」と言うシリーズの中で、組合関係の様子を抜粋して記述されている記事があり、その中で鉄労は地域本社制を導入することを決めたとしています。 ただ、ここで気になるのは、鉄労の提唱する地域本社制は、「 旧支社程度の単位に本社機能を分権化し、経営陣に民間人を採用する」 ことで、現在の経営形態でも可能と言いながら、 「全民労協は 中略。 国鉄が公社制から脱脚、地域本社制を中心とした経営体制になれば、これに加盟する資格も持つ ことになる。」ということで、マスコミは分割民営化を容認したのかと確認したように、後段の話だけを聞くとこのように聞こえるわけですが、鉄労が考えていた地域本社制は、あくまでも旧支社体制であり、支社の経営陣に民間の血を導入することで対応が可能なのではないかと発言しています。 当時の「全民労協」は民間主導で進められていたわけで、一足先に民営化された、NTTは全民労協に加入することは1984年時点で決まっていたので、その辺を意識して発言したと思うのですが、そうなると、マスコミが言うように民営化を容認したと考える方が素直ですし、更に地域本社制と言うことで、地域ごとに権限を持たせると言うことは分割も容認したと考える方が素直だと思うわけですね。 そう考えると、鉄労の意図は十分マスコミに伝わらず、更に その結果、分割民営化されたことによるサービスの低下が大きいことを考えると、鉄労幹部の発言は正直重いと言えそうです。   地域本社制導入案を承認 鉄労(辻本滋敬組合長,約3万5000人)の第17回大会は,国鉄内主要組合の大会としては最後の9月4日から7日までの4日間,石川県山中町で聞かれた。議長席には長沢昭夫(仙台)、下田孝士(金沢)、岡田秀夫(大阪〉各代議員がついた。 はじめに辻本組合長が立ち、組織拡大の重要性を84春闘の連敗や最近の雇用不安の状況などを踏まえながら次のように述べた。 「鉄労提言の地域本社制導入は実現させなければならない。国鉄問題の詰めが国会の場に移った時のために超党派の国会議員による「鉄労を支持する国会議員懇談会J(仮称〉を設

北陸本線、北陸トンネル列車火災事故に関する特別監査について 二回目

 北陸トンネル火災事故の2回目となります。 今回は車両並びにトンネルの列車火災対策と言うことで提言されていますが。 車両の構造なども考慮する必要としていますが、新たに設置される 鉄道火災対策技術委員会と連携して、燃えない車両を作ることが重要という点では一致しているように見えます。 トンネルの構造上の問題を含めて、検討と報告がなされています。   V今後の列車火災対策 1車両対策 国鉄は、別紙(省略〉のとおり、車両の防火対策を推進してきた。このうち、発火着火防止についてのこれまでの対策は、一応の成果があがっているものと認められるので、今後とも、さらにこれらの施策を推進するとともに、発火、着火の原因となりやすい箇所に対する点検および清掃の徹底等についてなお強力に実施することが必要である。 車両のいわゆる不燃化対策としては、昭和44年5月、民営鉄道に対する行政指導としてし電車の火災事故対策について(通達戸〈鉄運第81号〉が運輸省から通達され、以後、国鉄も極力これに準じて対策を講じている。車両を完全に不燃化することは、おのずから限界があるが、車両火災を防止することの重要性にかんがみ、今回設置された鉄道火災対策技術委員会等を十分活用してこれを強力に推進することが必要である。 この際、車両構造の改善については、乗客の避難誘導に要する時間、初期消火に当たらせる時間、車両の延焼防止および切離し等の条件ならびに煙、燃焼ガスの発生等を考慮し、その重点を明らかにして実施することがきわめて重要である。 2トンネル内における列車火災対策 今回の事故にかんがみ、当面、国鉄は、トンネル内において列車火災が発生した場合、約5キロ以下のトンネルでは、初期消火の段階で脱出できるとして、これ以上のいわゆる長大トンネル20箇所に対して各種の対策を講じつつあるが、今後、前記技術委員会を活用して、長大トンネルおよび立地条件がこれに準ずるものには、列車火災に対する設備上の対策として、特に次の諸点について配慮する必要がある。 (1)通信連絡設備の強化 救援活動を円滑に行なうには、必要な情報を的確に得ることがきわめて重要である。そのため、無椋機の難聴区間の解消に努めるとともに、電車、気動車に対しでも乗務員用無線機のとう載を推進すべきである。また、これは列車防護にも有効に活用できるものと思われる。 なお、沿線電話機の

北陸本線、北陸トンネル列車火災事故に関する特別監査について 一回目

北陸トンネル事故 北陸トンネル内で車両火災が発生し、食堂車の車内から発火、この時点ではその原因が特定されて居らず、石炭レンジの火の不始末説や、煙草の消火不完全等が原因ではないかと言われていました。 この事故では、トンネルに入って間なしであったこと(当時の管理局の規程でもトンネル内は極力避けて停止となっていたが、北陸トンネルを走行し続けた場合6分程度かかるため、この間に更に火災が燃え広がる恐れがあるとして、乗務員が規程に従い停車した訳で、監査報告書でもこの措置には誤りはないとしています。 しかし、その後停電発生更には、トンネル内の照明が運転の支障になるとして消されていたことも避難誘導を行うのに不利に働いたと言われています。 監査報告書では、国鉄にさらなる安全投資の実施なら浴びに設備の近代化を図るとともに、労使の難しい関係はあるものの、「労使による事故防止委員会等の場を活用するなど、相互の意思疎通を十分にはかり、安全施策に関する建設的成果を得るよう労使とも努力することを期待してやまない。」として、労使双方の安全輸送に対する意識を高めることを期待しています。 なお、報告書自体は非常に長いので2回に分けてアップさせていただきます。 5特別監査報告 北陸本線北陸トンネル列車火災事故 (写〉 監委事第73号 昭和48年1月16日 運輸大臣 新谷寅三郎 殿 日本国有鉄道監査委員会委員長 金子佐一郎 北陸本線北陸トンネル列車火災事故に関する 特別監査報告書について 昭和47年11月8日付鉄保第81号により御命令がありました北陸本線北陸トンネル列車火災事故に関する特別監査については、その監査結果を別冊のとおり取りまとめましたので御報告します。 別冊 北陸本線北陸トンネル列車火災事故に関する特別監査報告書 昭和47年11月6日、北陸本線敦賀・今庄間北陸トンネル内において多数の死傷者を生ずる列車火災事故が発生しました。これに関して、同月8S,運輸大臣から、事故の原因および事故発生後の措置をはじめ、国鉄の保安管理体制のあり方について特別監査を行ない、その結果を報告するよう御命令がありました。 監査委員会は、即日、監査を開始し、国鉄本社役職員ならびに金沢および新潟鉄道管理局の関係職員から説明および意見を聴取するとともに、現地調査を3固にわたって行ない、国鉄の実情を詳細に検討いたしました。