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*********************桜木町事故国会審問の議事録************************
○篠田委員長 もう少し、事故か起つてからあなたが車外に飛び出すまでの状態を詳しく話してください。
○中村証人 はい。結局、火花を発したので、すぐ非常制動機をかけました。非常制動機をかけると同時に、パンタグラフを降下する手配をとりました。それで電車が止つてから、パンをおろせば通常はアークが全部とれるわけですが、ところが一向にいつまでたつても火花がずつと出たままなんであります。そこでいつまでたつても、そこのところは何秒くらいたつたかちよつとはつきりわかりませんが、それから今度ドアをあける手配をとりました。
○篠田委員長 ドアをあけるというのは、ボタンを押して……。
○中村証人 そうであります。結局ドアをあけるというのには、パンタグラフを再び上昇させて、パンタグラフを上昇させるためにパン上昇用のひもがあります。そのひもをひつばつたのであります。電車のパンタグラフの電磁弁を押せば、その車が上つておればあくわけであります。そこの操作はちよつとはつきりいたしません。自分としてはやつたつもりでおります。
○篠田委員長 それであかないから飛び出した。
○中村証人 それで今度はパンを上げてから車掌スイッチをあけて、ドラムスイッチを後位置にすれば、パンがついていればあがるわけなんです。それは車掌スイッチを先にやつたか、ドラムスイツチを先にやつたかはつきりいたしませんけれども、とにかくやつたところがどうしてもあかなかつた。それからどうしてもだめだと思つたので、今度はうしろから運転台と客室の貫通ドアをあけようと思つたのですが、結局入口の方から火が猛烈に吹いているので、中へとうてい入れないと思つた。それで運転台の腰かけの上へ上つて、ドアをあけて飛び出したわけであります。
○篠田委員長 その客室のドアというのは、君の方からしめてあるのではないの。
○中村証人 私の方からしめてあります。
○篠田委員長 あなたの方からあける以外に手はないんじやないの。
○中村証人 はあ。
○篠田委員長 あなたが運転しているところと客室の間にドアがあるのでしよう。それはあなたの方からしめてあるのでしよう。
○中村証人 そうであります。
○篠田委員長 あなたがそれをあけてやれば、客はあなたが飛び出したあとで、たとい火を吹いていても何人か逃げることができるでしよう。
○中村証人 一番前の一番向う側なんです。運転手と正反対の位置なんです。
○篠田委員長 だけどここはわずかじやないの、あなたがパンタグラフを上げたりおろしたりしているひまがあれば、あけることができるんじやないの。
○中村証人 その運転手の腰かけは非常に大きくて、ドアもちよつとあけにくいような状態なんです。それで運転手として中腰のようなかつこうで操作したのです。ちよつとなかなかあけることができないような状態です。
○篠田委員長 あけることができなかつた。
○中村証人 それでうしろを振り向いてガラス越しに見たのでありますが、そのときには入口のところで猛烈な火が吹いているのです。
○篠田委員長 あけてもむだだと思つたからあけなかつたのか、それともあける努力だけはしたのかね。
○中村証人 努力はいたしません。努力しないわけじやないのですが、とうてい中へ入れないと思つて、すぐうしろからまわろうと思つたのです。
○篠田委員長 うしろからというのはこつちの方だね。
○中村証人 そうであります。
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