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桜木町事故に関する国会審問の議事録 第3回

 

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**********************桜木町事故国会審問の議事録***********************

○篠田委員長 そうしたらあかなかつたというのだな。
○中村証人 まだそつちの方は話していないのですが、それで運転室の自分の方の貫通ドアをあけて飛び降りて山側へずつとまわつたのです。それから一両目と二両目に行つて、一両目の連結器の上に足をかけて、その連結器の上に上つて、一両目に入ろうと思つたのですが、そこはちよつとはつきりいたしませんけれども……。
○篠田委員長 あなたはあける努力はしたの。こつちのドアをあけようとしたのですか。
○中村証人 とにかくはつきりしないのですけれども、そのときたしか一両目と二両円のところから人が出ておつたのです。人が出ておつたので、結局そこの連結器の上におれば危険だと思つて、ニ両目の方を見たら、非常に騒いでおる。ニ両目のお客がガラスやなんか割つて非常に混乱状態だつたのです。
○篠田委員長 二両目に火がついていたのかね。
○中村証人 まだ当時はついていなかつたと思います。それで二両目を見たら非常に騒いでいる。その二両目の方に若本気をとられて、二両目のドアをあけなければならぬ。二両目のドアのコツクがありますが、そのコツクを四、五箇所あけたと思います。そうしてドアを二枚か三枚自分はあけたと思うのです。
○篠田委員長 しかし燃えていない方のドアをあけて、燃えておる方のドアをあけないのはおかしいじやないか。
○中村証人 そのときには燃えている方から燃えない方に人が移つて来ました。たしかそのときにはあけられなかつただろうと思います。
○篠田委員長 その間のいきさつははつきり記憶はないわけだね。
○中村証人 はあ。
○篠田委員長 そうするとそういうときの教育は、さつきも言つたように全然鉄道―今は国有鉄道だが、前の鉄道省としてはしてないわけだね。
○中村証人 ありません。
○篠田委員長 しかしドアというものは中からだけあけるようになつてないで、そとからあける方法がついてあるんじやないの。
○中村証人 あります。
○篠田委員長 それをどういうわけであけない。
○中村証人 結局自分としては中へ入らなくてはならないものだと直観的に思つたわけです。気がつかなかつたのです。
○篠田委員長 ほかのそとにいた駅員とか何とかいう者は、どうしてそとからあける措置があるにもかかわらず、それをあけなかつたのか。
○中村証人 わかりません。
○篠田委員長 三方コツクというのはそとからあける措置でしよう。どういうふうになつているの。
○中村証人 三方コツクもたくさんあります。
○篠田委員長 そとからもあけるようになつているの。
○中村証人 なつております。
○篠田委員長 それはどういうの、ボタンか何か押す……。
○中村証人 いえやはり同じこういうコツクです。
○篠田委員長 それをあければそとからあくんだね。
○中村証人 あくというのではなくて、結局エアを全部切つてしまうのです。
○篠田委員長 だからエアを切れば自然とあくんだろう。
○中村証人 自然とあくんじやなく、やはり手でひつぱるのです。
○篠田委員長 エアでドアを押えているから、何ぼひつばつてもあかない、エアを切つちやえばあくんだろう。
○中村証人 ひつぱればあきます。
○篠田委員長 それはどういうわけでだれもあけなかつたか。あなたはあがつていてそれに気がつかなかつた。車掌は最後まで腕を組んで燃えておるのを見ていたというのだけれども、あなたは確認しなかつたのですか。
○中村証人 車掌のことは全然わかりません。​​​​​


 

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