以下は、国鉄が第一次五カ年計画は、政府が策定した、経済自立5ケ年計画に呼応する形で策定されたもので、昭和32年度を初年度とする計画でしたが、参考までに、政府が策定した経済自立5ケ年計画を以下に示したいと思います。
経済自立5ケ年計画について
昭和30年12月23日 閣議決定
経済の自立を達成し、且つ増大する労働力人口に充分な雇用の機会を与えるということは、今日わが国経済に課せられている大きな課題である。経済の安定を維持しつつこの問題を解決するためには、総合的、且つ、長期にわたる計画を樹立し、個人及び企業の創意を基調とした経済体制のもとで、必要な限度において規制を行うこととし、国民全般の協力を得て計画の目標に対し一歩一歩着実に前進してゆかねばならない。
このため、昭和三五年度を目標年次として、昭和三一年度以降五カ年間にわたる経済自立五カ年計画を策定した。
しかしながら日本経済における諸問題のうちこの計画期間中には完全な解決を期待できない問題もあるので、これらについてはより長期的な観点に立つて方策を講ずるものとする。また、計画の目標数字は必ずしも固定的なものとは考えず、その時時における経済情勢に即応しつつ弾力的な運用に努めるものとする。
(目標)
安定経済を基調として経済の自立と完全雇用の達成を図る。
(計画期間)
この計画の期間は、昭和三一年度を初年度とし昭和三五年度に至る五カ年間とする。
(前提)
この計画策定の前提として、次の諸条件を想定する。
一、国際政局には基本的な変化はない。
二、世界の生産および貿易は漸次上昇をみるものとする。
三、貿易制限は次第に緩和するが、通貨の自由交換性の回復は完全な形では期待されない。また、世界の輸出競争は激化するものとする。
四、ガット加入の影響でわが国に対する関税の引下げも相当進捗するものとするが、各国の自国産業保護の政策は依然として相当強いものとする。
五、賠償交渉は計画期間の前期において何れも解決し、且つ、東南アジアに対する先進諸国の援助をも想定し同地域との貿易は活溌化するものとする。
六、中共及びソ連との貿易に関しては漸次政治的制限は緩和され、経済面におけるわが国との関係も改善されるものとする。
七、特需収入は計画の最終年次においては期待しないものとする。
八、現行の為替レートの変更はしないものとする。
九、物価については極力引下げの方針がとられるものとする。
(以下項目のみ掲載)
第一部 計画の内容
Ⅰ 計画の方向
Ⅱ 国民総生産および総支出
Ⅲ 部門別の計画
第二部 計画達成のための必要な施策
Ⅰ 鉱工業
Ⅱ 農林水産業
Ⅲ 貿易
Ⅳ 交通通信
Ⅴ 公共事業
Ⅵ 住宅建設
Ⅶ 民生雇用
Ⅷ 財政金融
出典・ https://rnavi.ndl.go.jp/politics/entry/bib01231.php
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国鉄があった時代 JNR-era
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