昭和43年1月に開催された、参議院本会議での質問ですが、人員合理化に関する質問として、社会党からの質問がなされていますが、この辺は注目しても良いのではないでしょうか。
以下、引用
国鉄の五万人の合理化問題は、基幹産業という名のもとに、独占資本の特別運賃輸送や赤字線区の建設、借金をさせての膨大な工事計画などで採算の合わない政策を押しつけるために、労働者の犠牲による合理化を徹底してやろうとしてこの案が作成されました。輸送力は四十六年には二百五十万キロに達するわけですから、増員こそ必要なのに、このような提案は、首切り、労働条件の低下を招き、安全輸送に影響を及ぼすものではないか。
この後も、批判は続くのですが、傍線の部分は、国鉄発足当初からずっと言われ続けてきたことでもありました。
この辺は社会党の質問と言うこともありますので、ある程度割り引いて考慮する必要はありますが、赤字線区の建設や借金させての膨大な工事計画というのは、其れに見合う利子補給なり、建設公団からの無償貸付もしくは低利の貸付と言った方向性を見いだしていたならば、また違った側面を見せることになっていたかも知れないですよね。
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昭和四十三年一月三十一日(水曜日)
午前十時九分開議
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○議事日程 第三号
昭和四十三年一月三十一日
午前十時開議
第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
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○本日の会議に付した案件
議事日程のとおり
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○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略
いたします。
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○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
日程第一、国務大臣の演説に関する件(第二日)。
去る二十七日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。椿繁夫君。
〔椿繁夫君登壇、拍手〕
○椿繁夫君 私は、日本社会党を代表して、過日行なわれました政府の施政方針演説に、若干の意見を加えながら所信をただしたいと思います。
前略
国鉄の五万人の合理化問題は、基幹産業という名のもとに、独占資本の特別運賃輸送や赤字線区の建設、借金をさせての膨大な工事計画などで採算の合わない政策を押しつけるために、労働者の犠牲による合理化を徹底してやろうとしてこの案が作成されました。輸送力は四十六年には二百五十万キロに達するわけですから、増員こそ必要なのに、このような提案は、首切り、労働条件の低下を招き、安全輸送に影響を及ぼすものではないか。したがって、撤回すべきものと考えるのでありまするが、どうですか。機関助士の廃止は合理化以前の暴挙であり、保安を全く無視しているのではありませんか。検修新体制にしても、経費節約の美名のもとに各地方間の競争と職場の締めつけ、要員の圧縮が行なわれます。このようにした結果、事故が起きたら一体どうするのですか。その責任を総理大臣や運輸大臣、あなた方が負うのですか。国鉄の赤字問題は、国家がどの程度協力するかにかかっているわけです。造船には百二十五億の利子補給をし、国鉄に五十四億とは非常におかしい、増額すべきではないでしょうか。国鉄運賃や私鉄運賃の値上げは国民生活に非常に大きな圧迫を加えておりまするので、運賃、定期とも値上げを差し控えるべきではないですか。特に私鉄が巨額の利潤をあげておりながら、これに便乗をして定期代の値上げをはかるというのは許せません。所見を承りたいのであります。運輸省は汚職が多過ぎます。綱紀粛正の措置と運輸行政の今後のあり方についてのお考えをお聞きいたします。
中略
〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
○国務大臣(中曽根康弘君) 国鉄の定期代の値上げは極力回避するように努力をいたしましたが、本年度は財政緊縮のために公共負担を願わなければならなかったのは、まことに遺憾でございます。国鉄から改定の申請が出ておりますが、通勤については六八%を五三%に切り下げる、通学については八七%を八一%の割引率に切り下げるという案であります。四月一日にこれは認可する予定でありますが、社会政策的見地から、生活保護世帯、母子福祉年金受領世帯、児童手当の受領世帯、これは据え置き、それから小学校、中学校の義務教育も据え置き、高校生と職業訓練所の生徒は国鉄の申請を・一〇%切り下げる、こういう方針で認可する考え方であります。
なお、私鉄につきましては、国鉄と財政事情等が違いますので、極力これは抑制していく所存であります。
綱紀粛正につきまして御注意をいただきまして感謝にたえません。先般、人事の刷新をやり、行政処分をやりましたが、今後とも執務体制を刷新強化して、特に自動車行政、陸運行政については改革すべき点が非常に多いように思います。こういう点につきましても、機構その他の改革も行ないまして、将来戒めていきたいと思っております。(拍手)
後方省略
○副議長(河野謙三君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時三十九分散会
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国鉄があった時代 JNR-era
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