筑肥線と直通する、福岡市地下鉄ですが、これは1971年の都市交通審議会の答申に基づくものであり、これにより北九州の小倉モノレールも建設されるきっかけとなりました。
特に筑肥線の場合それまでは、ベッドタウンとしての発展も見込まれる地域でありがながら近代化が遅れていたこともあり。この答申を機に筑肥線も一気に近代化が進むこととなりました。
現在も福岡市地下鉄の乗り入れ区間は姪浜までですが、この答申により筑肥線は近代的通勤路線として発展してこれたと言えそうです。
姪浜駅前付近 |
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国鉄があった時代 JNR-era
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**************************答 申****************************
福岡市及び北九州市を中心とする北部九州都市圏における旅客輸送力の整備増強 に関する基本的計画について
(昭和46年3月11日 都市交通審議会 答申第12号)
1.まえがき
(1) 福岡市及び北九州市を中心とする北部九州都市圏は、わが国屈指の都市圏であり、全国的な交通・
通信ネットワークの枢要な拠点である。福岡市は中枢管理機能の集積地として、また、北九州市は工 業・交通の拠点として今後さらに発展を期待されている。
本審議会は、北部九州都市圏における旅客輸送力の整備増強に関する基本的計画を策定するに当た り、通勤通学圏と目される両市を中心としたそれぞれ30km圏を対象とし、目標年次を昭和60年として、
通勤通学時における輸送力の確保と業務交通の円滑化を実現するための方策の検討を行なった。 (2) 北部九州都市圏の今後の発展状況を概観すると、福岡市を中心とする地域においては、業務地区は、
現在天神附近を中心として形成されているが、最近博多駅附近の発展が著しく、今後博多駅附近が天 神附近と並んで業務地区を形成するものとみられ、住宅地区は、主に西南部、南部、東北部に発展す
るものと思われる。また、輸送需要に密接に関連する福岡市の人口関係指標の動向からみると、昭和 40年に対し、昭和60年には、夜間人口では1.7倍程度、昼間就業就学人口では1.8倍程度、業務地区へ の流入人口では2倍程度となるものと予測される。
つぎに北九州市を中心とする地域においては、現在小倉駅附近及び黒崎駅附近の2地区に形成され ている業務地区は、将来とも発展し、住宅地区は、主に小倉南部、小倉東南部、八幡西南部に発展す るものと思われる。また、輸送需要に密接に関連する北九州市の人口関係指標の動向からみると、昭和40年に対し、昭和60年には、夜間人口では1.3倍程度、昼間就業就学人口では1.6倍程度、業務地区への流入人口では2倍程度となるものと予測される。
2. 旅客輸送力の整備増強に関する基本方針
上記の昼間就業就学人口の増加に伴う輸送需要の増大に対処するため、各交通機関の輸送サービス水準(安全性、定時性、快適性、適正な通勤時間)及び利用者の利便の確保に十分留意するとともに北部 九州都市圏の地域開発計画、都市計画、住宅計画等との整合性に十分な配慮を行い、目標年次において は、高速鉄道を中心とし、これを補完する大量路面交通機関を効率的に活用することにより、総合的交 通体系の確立を図ることとする。
なお、当面の措置として、既設交通機関の再編、整備を行い、その積極的活用を図ることとし、この ため、必要な諸施設の整備、優先通行の確保、バス・アンド・ライドの促進等を行なうものとする。
3. 交通体系の整備計画
(1) 既設交通機関の再編、整備
既設交通機関については、つぎの措置を講ずるものとする。
1 路面交通機関
(i) 路面電車
当面の措置としては、路面電車の有効活用を図るため、路面電車の優先通行、連結運転、バス との調整等を実施するが、高速鉄道の整備、バス輸送力の整備等を勘案して、代替可能区間から遂次廃止する。
(ii) バス
バス輸送力の整備を図るため、次の措置を講ずるものとする。
(ア) バス路線の再編成
バス路線は、高速鉄道、路面電車との関連、都市部停留所の処理能力等を考慮しながら、利
用者の利便に資するよう輸送需要に応じて積極的に再編、整備する必要がある。
(イ) バスターミナル及び駅前広場の整備
都心部停留所の処理能力の向上及びバス・アンド・ライドの積極的採用を図るため、都心部及び周辺の主要高速鉄道駅附近には、バスターミナル及び駅前広場の整備を促進する必要がある。
とくに、下記の地区におけるバスターミナルの整備について、具体的検討を行なうものとする。
(福岡市)
天神・渡辺通附近 博多駅附近
(北九州市)
小倉駅附近 黒崎駅附近
小倉モノレール |
(ウ) 通勤高速バスの運行
都市高速道路における通勤高速バスの運行を検討する。
2 交通規制による路面交通の円滑化
自動車交通量の急激な増加に伴い、道路混雑が慢性化している現状においては、限られた道路ス ペースを効率的に利用する必要があるため、駐車禁止区域の拡大、幹線道路における一方通行の実
施等市内における広域的な交通規制を強化するとともに、路面電車、バスなど公共性の高い大量交通機関の優先通行を確保するため、軌道敷内通行の制限、バスレーンの設定等に十分な配慮をするものとする。
3 既設高速鉄道
(i) 輸送力を増強すべき路線
国鉄鹿児島本線、日豊本線、筑肥線、西鉄大牟田線、筑豊電鉄線については、列車編成の長大 化、運転時隔の短縮、列車速度の向上等により積極的に輸送力の増強を図る。
(i) 改良すべき路線
(ア) 西鉄宮地岳線
当面の措置として、改軌その他の改良を実施し、都心部への乗り入れを行なう。
(1) 筑豊電鉄線
熊西停車場附近から黒崎駅附近までの路線を建設する。
(i)
そ の 他
既設高速鉄道について、旅客の利便を確保するとともに、高速鉄道の積極的利用を促進するた め、輸送需要の動向を勘案して旅客駅の新設及び連絡施設の整備を図る。
また、市街地における既設高速道路の高架又は地下化、踏切道の立体化等積極的に推進する。
高速鉄道路線の新設
以上の諸措置を講じても、なお目標年次には輸送力の不足が生じると予測されるので、つぎの路線の新設が必要と思われる。
(福 岡 市)
(i) 都心部から西南部方面に至る路線
(i) 都心部から箱崎方面に至る路線
(in) 都心部から福岡空港方面に至る路線 (北九州市)
(iv) 小倉駅附近から徳力・曽根方面に至る路線
(v) 黒崎駅附近から小嶺方面に至る路線
(7) 小倉駅附近と黒崎駅附近とを結ぶ路線
上記路線のうち、輸送力の不足が著しい路線については、昭和50年代の半ばまでに建設を 必要とすると予測されるが、地域開発計画、住宅計画等の進捗状況との関連、高速道路の路 線との調整等を十分考慮しつつ、具体的な建設時期、建設主体、採用すべき高速鉄道の方式、 資金の調達方策等について、今後さらに検討を必要とする。
なお、これに関連して、新設高速鉄道路線相互間、(i)の路線と国鉄筑肥線、(i)の路線と西鉄宮地岳線、(vi)の路線と筑豊電鉄線との直通運転についても検討する必要がある。
(3) 道路の整備
自動車交通量の急激な増加に対処して道路容量の増大を図るため、都市高速道路の建設及び主要街路の整備を積極的に推進する必要がある。
なお、この場合、空港、港湾、バスターミナル、駅前広場等の交通施設との接続には十分配慮するとともに、バスベイ及びタクシーベイの整理を積極的に行うものとする。
4. むすび
本審議会は、以上のような北部九州都市圏における旅客運送力の整備増強に関する基本的計画を策定したが、交通体系の整備が北部九州都市圏の今後の発展にとって必要欠くべからざるものであることにかんがみ、本計画を遂行するため、県・市をはじめとする関係者が、協議会を早急に設置する等
協力体制をさらに強化し、積極的に努力することを強く望むものである。
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