スキップしてメイン コンテンツに移動

今後の鉄道事業のあり方についての合意事項 (第2次労使共同宣言) 全文

 今後の鉄道事業のあり方についての合意事項
(第2次労使共同宣言〉
 

関連記事  国鉄労働組合史詳細解説 156 国鉄の民営化政策に抗議する国労闘争

国鉄と「国鉄改革労働組合協議会J(以下「組合」という)は、「労使共同宣言」の調印を行って以来、「国鉄改革にあたり、真面白に働く意思のある職員がその生活の基盤を失うことがあってはならない」との共通認識を基本に、真撃に協議を重ね、連携、協力をしつつ、余剰人員対策の完遂のために全力を尽くしてきた。
この間、労使の信頼関係は一段と深まり、ひとり余剰人員対策にとどまることなく、鉄道事業の再生を達成し今後の鉄道事業が健全な発展を遂げるために労使は何をなすべきかについて、更に広汎な共通認識を持つに至った。よって、その主要な一致点について整理・確認し、既に労使が推進中の「労使共同宣言」に加えて、今後の鉄道事業の発展のため一層の努力をすることにより、労使協調の成果を期することとする。

1.鉄道事業のあるべき方向について

「組合」は、国鉄経営の現状に鑑み、鉄道事業再生のための現実的な処方主主は、政府及び国鉄が推進している「民営・分割」による国鉄改革を基本とするほかはないという認識を持つに至った。故に労使は、これまでに築いてきた信頼関係を基礎に、国鉄改革の実施に向かつて一致協力して尽力する。

2.あるべき労使関係について

今後の鉄道事業の発展のためには、相互の理解と信頼に基づいた新たな労使関係の確立が何よりも重要であることは労使の一致した認識である。この観点に立ち、「組合」は組織的統合への一層の努力を払うとともに、「労使は匡鉄改革労使協議会」における議論を更に充実させ、1国鉄改革労使協議会」が今後の鉄道事業における労使関係の機軸として発展的に位置づけられるよう、緊密な連携、協議を行う。このような労使関係の帰結として、1組合」は今後争議権が付与された場合においても、鉄道事業の健全な経営が定着するまでは、争議権の行使を自粛する。

 


 3.望ましい職員像について

今後の鉄道事業は、その健全な発展を遂げるためには、業務遂行に必要な知識と技能に優れていることはもちろん、企業人としての自覚を有し、向上心と意欲にあふれる職員により担われるべきであることについて、労使は完全に認識をーにしている。この考え方に立ち、労使はこれまでも積極的に派遣・休職制度等いわゆる三本柱、直営売店、広域異動等を推進し、さらには「労使共同宣言」に則り、着実な努力を重ねてきた。今後は、さらに必要な教育の一層の推進を図るとともに、労使それぞれの立場において職員の指導を徹底する。

 

 ********************************************************
取材・記事の執筆等、お問い合わせはお気軽に
blackcat.kat@gmail.comにメール
またはメッセージ、コメントにて
お待ちしております。

国鉄があった時代 JNR-era
********************************************************

 にほんブログ村 歴史ブログ 現代史 戦後(日本史)へ

コメント

このブログの人気の投稿

上尾事件顛末 当時の駅長による回想記

 上尾事件に関する顛末として、当時の国鉄部内の雑誌に掲載された、記事から全文転載しました。 上尾事件は、動労による順法闘争にしびれを切らした乗客が暴徒化して駅及び車輌などを破壊する行為に及んだもので、動労の順法闘争も許されるものではありませんが、乗客も不満が溜まっていたとはいえ、こうした暴徒化することは決して許されるものではないこと。 また、「国鉄=態度が悪い」というイメージが付きまといがちですが、暴徒から信号継電装置を守った信号係員や、小荷物等の預かり品を守ろうとした若い駅員がいたことも語られています。 以下、本文   832M ・上尾発 6 時 54 分  この4月24日夜、東京都内で発生した各駅の騒乱状態を、各新聞は第二の上尾事件として、一斉に報道した。上尾事件といい、また都内各駅の騒乱といい、国鉄有史以来の未曽有のできごとであった。とこに若干の反省を含め上尾事件を詳述することとしたい。   1 高崎線の通勤の現状   高崎線は、埼玉県の県央・県北部と群馬県の南部とにまたがっている縄区(大宮~高崎間)である。 高崎線の沿線は、近年、とみに住宅団地の造成が著しく、都市化の波が押し寄せて来ている。住宅公聞から新駅設置の要望が出されていることからもおわかり頂けるかと思う。 高崎線利用の通勤人口は約五万人。この通勤客を、 115 系 15 両編成を主体にした中電 19 本でラッシュ帯に七分ヘッドで運行することにより輸送している。   2 事件発生の契機   去る 3 月 13 日朝、全国的に勇名をはせた高崎線の上尾事件が起きた。上尾駅は、大宮から 8.2 キロ北にあり、職員数 46 名、橋上式の小さな駅である。 それはさておき、 3 月 5 日から国労・動労のサボが始まり、これに起因する輸送混乱が日増しに拡大して行った。問題の目、 13 日近くには、指令の諸氏は、車両のやり繰りに四苦八苦で運休を防ぐのが、精一杯の態であった。 そして 3 月 13 日の朝。遂に、車両運用の部分と、いわゆる減速闘争のため、 832M に 先行すべき 828M ・ 1830M が遅れるという事態に至った。 上尾発が所定 6 時 54 分のところ、事件の直接...

衆議院議員石田宥全君提出国鉄労働組合新潟地方本部管内の不当労働行為の実態に関する質問に対する答弁書

以下は、衆議院 立法情報  >質問答弁情報  > 第028回国会  質問の一覧 から引用したものであり、新潟闘争に際して不当労働行為が行われていたのか否かという点について質問した際の主意書と答弁書になります。 新潟闘争は、既に弊blogでも何度かアップしていますが、国労内の革同派によるグループの反動がより大きな動きとなったもので国労本部預かりという形で封じ込めに働くわけですが、当時の局長が強く処分を連発するなどで、地本との対立が起こったことなどもあり、かなりの緊張をもたらされることとなり、一部の報道では不当労働行為が行われていたのではないかという質問が国会でなされていました。 なお、質問している。石田宥全議員は、新潟県選出の社会党左派議員であり、5期務めたと書かれています。 組合側の意向を汲んでの発言も有るかと思われますが、その辺は割り引いて考える必要がありそうです。   ***************************************************************  昭和三十三年三月二十四日提出 質問第四号  国鉄労働組合新潟地方本部管内の不当労働行為の実態に関する質問主意書 右の質問主意書を提出する。   昭和三十三年三月二十四日 提出者  石田宥全           衆議院議長  ※ (注)谷秀次 殿 国鉄労働組合新潟地方本部管内の不当労働行為の実態に関する質問主意書  国鉄当局は、新潟地方における国労と第二組合(国鉄新潟地方労働組合)との組織活動に関し、国労に対して次のごとき不当労働行為をなしている事実がある。すなわち 一 新津電修場分会の一部十九名は、さる一月二十八日、第二組合に加入し分会を設立したが、この設立に対し、非組合員である大久保乾電修場長及び小杉事務助役の手もとに第二組合結成準備に対する内容が了知され、かつ、名簿が提出されているなどさきの電修場長及び事務助役が第二組合結成に暗躍している事実がある。これは公労法違反ではないか。 二 さる一月三十一日電修場長は、技工長、主任などを招集し「国労は総評に加盟し、第二組合は加盟していない。総評は生産性向上に反対し全労は賛成している。こうしたことからみて、どちらに所属した労働組...

三河島 駅列車衝突事故 特別監査報告書 全文

資料として、三河島事故に対する特別監査報告書の内容全文をここにアップします。 国鉄監査報告書昭和36年版 p277~P288から引用しています。今回の三河島事故では、最初の衝突後、十分列車防護をする時間が有ったにも関わらず、当事者(貨物列車乗務員、及び下り電車乗務員)が適切な防護措置を取らなかったこと、(本来であれば、支障した時点で前後の列車に対し、発煙筒・信号短絡等の措置を取ることが義務づけられている。)さらに、乗客がドアコックを開放して線路に降り立ったこと等の複合的な要因が重なり、支障した下り電車が対向の電車と接触大破して、上り電車乗務員が死亡乗客の多くも犠牲になった事故で、運転士・機関士の列車防護措置に対する怠慢が指摘されたほか、組織として支社が十分機能せずに管理局にしわ寄せが来ていること。更に管理局も現場への管理が形式的文書的な指導になりがちで、現場が十分に実務指導等を行える状況になっていないことなども指摘されており、東京鉄道管理局の三分割に繋がる、組織の改編などにも言及されています。   常磐線三河島 駅列車衝突事故特別監査報告書提出について (写)      監委事第 20 号    昭和 37 年 6 月 14 日 運 輸 大 臣   斎 藤 昇 殿 日本国有鉄道監査委員会委員長 石 田 礼 助  常磐線三河島駅列車衝突事故特別 監査報告書提 出 に つ い て (報告) 鉄保第123号の御指示に基づい て、常磐線三河島駅列車衝突事故に関し、調査検討した結果を別冊のと おりとりまとめましたので御報告いたします。 常磐線三河島駅列車衝突事故特別監査報告書 昭和37年5 月4日付で、常磐線三河島駅列車衝突事故 に関し、運輸大臣より事故の原因を究明するとともに、特に国鉄の管理体制のあり方について、 特別監査を行なうよう御指示がありましたので、 監査委員会において、昭和37年5月7日以降17 回にわたり委員会を開催し、審議いたしました。   事故の状況は、後に述べるとおりでありますが、本委員会は直接の原因のみならず、事故防止の観点から、広く間接的な諸原因について究明する事が重要であると考え、国鉄補本社役員、局長、関東支社長、東京鉄道管理局長及び現場長等について、状況、意見を聴取するとともに、本件に関し、国鉄の実情を詳細に調査検討...